試料として、鶏の肝臓やサケの精巣などがDNA抽出実験に良く使われますが、今回はブロッコリーからの抽出を試みました(図1)。
生物は細胞というものが集まり構成されています(人間の体の場合だと、約60兆個もの細胞で構成されています)。細胞の大きさは約10~30マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリメートルの千分の一の長さ)と大変小さいものですが、DNAはさらにその細胞の中にある核という小さな器官に保管されています。
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(図1)
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実験は、まずブロッコリーのつぼみの部分をはさみで切り取って適量集めます。そこにDNAを取り出すために細胞を壊す試薬を加えてすりつぶします(図2)。
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(図2)
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次にその溶液に余分な成分(タンパク質など)を除くための試薬を加え、よく混ぜた後、遠心分離機にかけます。するとDNAが含まれている層が一番上に来ます(図3)。
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(図3)
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この部分を採取し、試薬を加えてDNAを析出させます(図4)。白く糸状に見えているものがDNAです(実験操作の都合で絡まった状態になっています)。
このようにDNAは割と簡単な操作で取り出して、自分の目で見ることにより実感することができます。
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(図4)
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