函館短期大学発「食・健・幸」
食を学ぶことは健康を学ぶこと。健康はすべての人が願う幸せ。


  現代人にはやっぱり運動が必要です!
      「健康運動実習」担当  齊藤 恭平 教授
コラム No.2 
2006年6月 

 ガン、心臓病、脳卒中は日本人の三大死因ですが、これらをあわせると全体の死因の約60%を占めます。これらの病気は以前、成人病と呼ばれていましたが、最近では生活習慣病と呼ばれるようになり、病気の原因としての生活習慣の重要性が注目されるようになりました。
 生活習慣病は何もこれらの病気だけに限らず、糖尿病や高脂血症、痛風、高血圧など様々なものがあります。肥満や虫歯・歯周病なども生活習慣病といってもいいでしょう。
 この生活習慣病という名称は厚生労働省が平成8年から行政用語として指定し、一般的に使われるようになった言葉です。しかし、これよりも10年以上前から生活習慣病(習慣病)という名称を提言した人がいます。
日本人の主な死因 (2003年)
それは皆さんも知っている90歳を越えた現役医師、日野原重明先生(私と誕生日が同じです。関係ないか?!)です。先生は加齢に伴う仕方のない病気をイメージする成人病という名称から、生活習慣に着目させ予防を強調する習慣病という名称を当時から提唱されていました。成人病という名称を使い、早期発見早期治療(健診)を主体としていた当時の医療からすると、予防を呼びかける画期的な発想だったといえます。もっとも他の先進国では、もともと慢性病や裕福病という呼び方はあっても、成人病(Adult Disease)という表現はなかったようですし、アメリカでは早い段階から生活習慣関連疾病(Life-style Related Disease)という表現を使い、生活習慣と病気との関連を研究していたようです。

 そのアメリカの生活習慣に関する研究で最も代表的なものが、L.ブレスローによるアラメダ郡の調査研究です。ブレスローは長期間にわたりこの地域に介入し、健康で長生きしている人々に共通する7つの生活習慣を見つけ出しています。これが保健学の分野では有名な「7つの健康生活習慣」といわれるものです。その7つとは、
(1) 喫煙しない
(3) 適正体重の維持
(5) 間食をしない
(7) 習慣的な運動
(2) 適量の飲酒
(4) 朝食の摂取
(6) 適正な睡眠時間の確保
です。この7つの生活習慣を全て実行している人間の健康度の落ち込みは60歳からなのに対して、2つ以下の人間は30歳という若い段階から健康度が落ち込んでいるとことが示されています。つまり不摂生な生活をしていると倍も早く歳をとるということなのでしょう。たばこを吸っている人、太っている人、運動をしない人・・・気をつけてくださいね。

 さて、生活習慣の中でも私がこのホームページをご覧になっている皆さんに特に呼びかけたいのは運動です。函館短期大学は食物栄養学科だから食生活?・・・もちろんそれは大切ですが、現代人の運動不足は深刻です。とても気になります。
 むかしは生活そのものが運動でした。洗濯だって、掃除だって、通勤だってそれ自体が運動の役目をはたしていました。それが全て機械化、簡便化、IT化され、便利な世の中になってしまいました。不便さによる体の動きは全て運動でしたが、それがなくなった今、便利はイコール運動不足。現代人は慢性的な運動不足状態です。どうですか?皆さんは努めて運動していますか?

 函館短期大学には「健康運動実習」という科目があり、1年生の前期に集中的にトレーニングをしてもらっています。週に2回以上、約2ヶ月間の集中トレーニングです。この中で学生達は一回のトレーニングで約200kcalのトレーニングを実施しています。この量は肥満傾向の中高年が1日あたりに摂りすぎているエネルギー量に相当し、この量を食べないか、もしくは運動によって消費することが必要だからです。学生達にはこの運動量がどのくらいハードか実感してもらうことにしています。「運動した方がいいですよ!」と簡単に言う栄養士さんがいますが、必要な運動量をこなすのがどれだけ大変なことか・・・。小柄な女の子の場合、ゆっくり歩けば1時間程度、走ったって30分はかかります。結構大変なことなのですよ。

 現代人には運動は不可欠です。今あげたような運動を最低でも週に3日以上、実施することが必要です。
 運動という時間を生活の中に取り入れる。このことを運動の生活化と私は名付けています。食事、入浴、余暇・・・などの生活に必要な時間帯と同じように、日々の時間の中に「運動」という時間を設定することが大切なのです。
 意志が強くて行動力のあるあなたは今すぐ実践してみてください。(笑!)

 運動の重要性はわかっていても、現代人は忙しい。仕事もあれば遊びもしたい、友人とメールもしなきゃいけないし、彼とのデートだってある。そんな人は生活そのものを運動にしてしまって下さい。つまり、あえて不便さを選択するということです。そうとは言え、今さら、洗濯機や掃除機を捨てるわけにはいきませんよね(別にそうしてもかまいませんが)。たとえば、たまにバスや車を使わずにウォーキングや自転車で通勤してみるとか、デパートはエレベーターやエスカレーターを使わずに階段で上り下りを実践するとか、彼とのデートはドライブではなくてサイクリングやハイキングとか・・・。このことを私は生活の運動化と呼んでいます。

 運動の生活化生活の運動化で理想的なnice bodyと健康的な生活を勝ち取ってください!。それでも運動をしたくない、でもやせたいあなた。そんな人は函館短期大学に入学して栄養学を中心に健康的な食生活をしっかりと学ぶことをお勧めします。(笑)


閉じる

野又学園 函館短期大学  〒042-0955 函館市高丘町52番1号
入試専用フリーダイヤル:0120-57-1820 FAX:0138-59-5549 E-mail:hj@hakodate-jc.ac.jp


Copyright © 2002-2015 Hakodate Junior College. No reproduction or republication without written permission.